このコラムを読んでいるということは、あなたは何かの外国語をできるようにならなくてはいけない状況にいるのか、できたらいいなと思っているのだろうと思います。
そして、やらなくてはいけない、やりたいと思いながら行動が起こせないできたか、始めてみたけれど途中であきらめてしまったか、長い間学習しているけれど思うように進歩しないと思っているのかもしれません。
あるいは、あなたにとって大切な人がそんな状況にあって、あなたはその人を助けてあげたいと思っているのかもしれません。
「外国語ができるようになること」はなぜ多くの人にとって果たせぬ夢になってしまうのでしょうか。その原因の一つは、学校や教科書は言葉を教えようとするけれど、学び方や学習方法を教えてくれることはないということです。外国語の学習にはコツがあります。コツさえわかれば誰でも外国語は学べることができるのです。
ヨーロッパの外国語教育では、外国語の学び方を学ぶという考え方がかなり広く受け入れられています。「誰かに魚をあげればその人を一日養ってあげることができるが、魚のつり方を教えてあげれば一生養ってあげることになる」という諺があります。
アメリカ人は孔子が言ったと信じていますが、どうもそれは間違いのようで、誰が言った言葉かはわかりません。とにかく、単語を100教えてあげるよりは、単語の覚え方を覚えるのを助けてあげたほうが、長い目で見たら役に立ちます。そのために考えられた方法が、外国語学習カウンセリングです。
外国語学習カウンセリングとは、皆さんが外国語の学び方のコツを身につけられるようにお手伝いをすることです。ふつう語学カウンセラーと受講生が1対1で会ってお話をしますが、日本では一部の大学や語学スクールを除いて、語学カウンセリングのサービスを提供している教育機関はありません。
そこで、このコラムは、コラムという形でできる範囲で、読者の皆さんにカウンセリングを経験していただこうと思って書きました。
このコラムには、読者の皆さんに考えていただくための質問が含まれています。読むだけに終わらせないで、ぜひあなたの場合はどうか、質問の答えを考えてください。ノートを1冊用意して、答えをそこに書いていくともっと効果的です。考えただけのことは忘れてしまうかもしれませんが、書いておけば後で見直せます。そして、前に自分はこんなことを考えていたのかということがわかると、自分の変化や進歩に気づくこともできるでしょう。
質問の多くは、あなたが、このコラムを読むのと並行して、英語を含む外国語の学習をしていることを前提にしています。無理のない範囲で構いませんから、実際に外国語の学習もしてください。そうすることで、このコラムからより多くの発見を得られるはずです。