あなたに合った教材はどのようにしたら見つかるでしょうか。書籍を探すのなら、書店や図書館に足を運んで、実物に目を通して選ぶに越したことはないだろうと思います。
しかし、それには時間が必要ですし、たまたま行った書店や図書館にない本について情報を得ることはできません。ですから、書店や図書館に行く前の下調べはしたほうがいいと思います。
インターネットが使える状況にあれば、簡単なのは、書籍の通販サイトにアクセスして、あなたの学んでいる言語をキーワードに検索してみることでしょう。試しに、Amazon.co.jpで、フランス語と入力して検索してください。おそらく何百冊という本がヒットしているはずですが、最初に出てきた何冊かのタイトルを以下に挙げます。
・フランス語入門、わかりやすいにもホドがある！
・ゼロから始めるフランス語書き込み式テキスト
・ゼロからのフランス語文法編
・口が覚えるフランス語CD付き
・スマホで学ぶフランス語文法
・CD付フランス語シャドーイング入門
・これなら覚えられるフランス語単語帳
最初のほうに出てくる本は、比較的新しく、読者の評価も高いものが多く、また、「なか見！検索」機能がついていて、目次やサンプルページを見ることができます。そによって、ある程度、今のあなたにとって役にたちそうな本の目安がつけられます。
このコラムを読んでいる皆さんはもうご存知のことですが、電子書籍も同じように検索ができます。
サンプルページは見られますが、書店や図書館へ行って本全体を見るということができないので、買うか買わないかの選択はギャンブルの要素を含みます。しかし、電子書籍は本に比べると値段が安いので、外国語学習にどのくらいの金額を投資する用意があるかにもよりますが、商品の説明やサンプルページを読んでみて、良さそうだったら試しに買ってみるというのもありかと思います。
次にウェブ上の外国語学習サイトを探すという手もあります。Googleの検索エンジンで、あなたの学んでいる言語と学習方法をキーワードに検索してみてください。○○語学習といった具合です。
メジャーな言語であれば、かなりのサイトをヒットします。中には、評価の高いサイトのリストを掲載したランキングサイトや語学スクールが運営していて、レベル診断のテストの結果をもとに教材を推薦してくれるサイト、初級者向けの無料の教材がいろいろいろ提供されているサイト、日本語も含め10言語が学べる言語モジュールサイトなど、なかなか便利なサイトもあります。
無料で自由に使えるサイトはたくさんありますが、サイトを制作して管理・運営するには人手やお金がかかりますから、何らかのビジネスをしているサイトも少なくありません。
これは当然のことですが、選ぶ立場から考えると、最初は無料で試してみられるサイトを選んだほうが無難でしょう。そして、続けられるという見通しが持てれば、そのサイトを運営している企業なり個人の外国語学習に対する考え方、ビジネスのやり方が気にいったら、お金を払うことにしたほうが安全です。
スマホのアプリに関しても同じことが言えます。iPhoneだったら、AppStore、Androidだったらgoogleplayで検索すると、英語や中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、ロシア語、ポルトガル語などのメジャーな言語の場合、かなりの数の学習用アプリをヒットします。
ウェブ上のサイトもそうですが、スマホアプリも、正直言って、質はピンからキリまであります。
無料だから悪いとも限らず、高いからといって質が高いとも限りません。多くのアプリは、お試し版が無料で提供されています。追加のユニットを購入しなければならない、特定の機能を使うためにお金を払わなければならないなど、すべて無料ではありませんが追加料金は使ってみて気に入ったら払うというのが鉄則だろうと思います。
最近は、サイトの質も大幅に向上しましたが、まだ新しい技術を使っていない古いサイトもかなり残っています。スマホアプリのほうがメディアとして新しいだけあって、技術的には質の高いものが多いようです。
選択の基準は、ナビゲーションが楽か、音や動きのある映像が出せるか、インターアクティブな作りになっているか、録音機能を使って、あなたの言ったことにフィードバックができるかだろうと思います。
もちろん、学習用に作ったのではない教材も活用してください。必要な情報を探す、情報を発信する、楽しむなど、日常やっていることを、○○語でもやってみるという使い方だけでなく、自分で教材を作ってしまうこともできます。
最後に、教材としての人材についてお話しておきましょう。
言葉の勉強には、一人でできること、むしろ一人でやったほうがいいことと、相手がいないと難しいことがあります。あなたが学んでいる言語が得意な外国人が、あなたの学習を手伝ってくれたら、可能な学習の幅は大きく広がります。友だちに手伝ってくれる人がいたら好都合ですが、助けてもらってばかりでは長続きしにくいという問題もあります。
ですから、busuuやlang-8のような外国語の学習に特化したSNSや、互いに相手が自分の得意な言語を学ぶのを助け合うタンデム学習のパートナーを探すためのサイト（TandemCity、Totalingua、LanguageTandemなど）を使うことや、経済的余裕があれば、Atlasマンツーマン英会話の10ヵ国語の各言語コースのマンツーマンレッスンを受けながら60分3,000円（毎回払い制）のお礼を払って手伝ってもらうということも考える必要があるかもしれません。
語学スクールに行って担当講師に手伝ってもらうというのも、もしあなたがやってほしいことを講師がやってくれるのであれば、それも選択肢の一つになるでしょう。
