HOME階層下がるコラム一覧階層下がるもう失敗しない外国語学習方法階層下がる第9章 教材の使い方を考える

もう失敗しない外国語学習方法

一つの教材はふつう何通りもの方法で使うことができるものです。ですから、あなたの目標を達成するのに、もっとも適した使い方は何かを考えることが大切です。

新しい知識を記憶に留めるために何をすればいいか、練習を繰り返して慣れるためには何をすればいいかということは解説しました。

個人の学習スタイルの違いについても解説しました。教材の使い方を考える時は、あなたの学習の目的や目標を考えると同時に、これらのことも考慮する要があります。ここでは教材の中でいくつか代表的なタイプを例にとり、異なる使い方の例をご紹介することにします。

単語リスト

外国語の勉強をしようと思った時、単語を覚えるのはもっとも基本的な学習方法かもしれません。単語リストの教材はたくさんありす。目の前に、あなたが覚えたい単語のリストがあったら、何をしたらいいと思いますか。

あなたが視覚型タイプの人だったら、文字を見ることで覚えやすくなるかもしれません。聴覚型だったら、それらの単語が発音されている音声を聞いたらいいかもしれません。触覚・運動型タイプの人だったら、その単語を書いてみるといいかもしれません。

ただし、あなたがどんな学習スタイルを持っていたとしても、覚えたい単語を音にすることは必要だろうと考えられます。

話したり聞いて理解するためには、音のイメージを持っていることが必要なのは当然ですが、認知心理学の研究で、読んだり書いたりするための言語処理も、私たちの脳は音のイメージを使っいるということが科学的に証明されています。つまり、学習の目的がなんであったとしても、単語を音にできたほうがいいということです。文字を見ながら、あるいは、書きながら発音もしてみると、いいかもしれません。

これらの単語を後で思い出すための手がかりも必要です。一つ一つの単語について、あなたに関係のある文を一つ作ることもできます。物の名前だったら、現物にその単語を書いた紙を貼ったりすることもできます。写真にその単語を書き込むこともできます。音が似ている他の単語と結びつけて覚えることもできるかもしれません。

復習の方法も考えておきましょう。日本語訳を見て、○○語の単語を言うこともできます。あるいは単に、今日覚えた単語は何だったか思い出すということもできるかもしれません。

これらの選択肢を組み合わせると、一つの単語リストに無数の使い方を考え出すことができます。その中から、あなたにとって都合のいいものを選んでください。どれがいいかわからないこともあるかもしれませんが、そういう時は良さそうなものを一度試してみてください。やってみて具合が悪ければ、次は違うことを試せばいいので、あまり深刻に考える必要はありません。

練習問題

外国語学習の教材には、○○語検定などの試験のための問題集もたくさんあります。問題集はどのように使えるでしょうか。

大学受験でも公務員試験でも試験というのは、どのくらい速く問題を解けるかも結果を左右するだけのものです。ですから、速くできるようになるということも大切です。

スピードを上げるためなら、わからないところには拘らず、なぜこの答えになるのかというようなことも考えずに、実際の試験と同じように問題を解いて、時間を測る、あるいは一定の時間で何問の問題に答えられるかを数えるというような練習がいいかもしれません。かかる時間が減ったり、一定の時間内にできることが増えていけば、進歩が実感できてやる気の維持にも役立ちます。

しかし、もし正答率をあげたいと思ったら、違う方法をとったほうがいいかもしれません。例えば、問題文や選択肢の中にわからない単語があったら、辞書で調べて、メモするとか、答え合わせをして間違えていた問題は、なぜ間違えたのかを考える、正解できたものについても、なぜその答えを選んだのか考えるとかすると、いいかもしれません。

問題は正解に○をつけるだけにしますか?それとも、問題文とその答えを声に出して読みますか?それをノートに書くこともできますね。問題文や選択肢の中にあった言葉を覚えておくために、あなたにとっていい方法は何でしょう。

リスニング教材

私たちが日常生活の中で何かを聞くのは多くの場合、情報を得るためです。情報を得るために聞く練習をする場合は、聞く前にどんな情報を探せばいいかを考えておくとやりやすくなります。

学習用の教材で、理解をチェックする問題がある場合は、問題を読んでから聞くと質問に答えやすくなります。ニュースなど、生の教材を聞く場合は、聞く前に自分でそれを聞いてどんな情報が得られればいいかを考えるといいかもしれません。ニュースだったら、5W1Hは何かとか、料理番組だったら、必要な材料は何かとか、ミュージシャンへのインタビューだったら、新しいアルバムはどうやって作ったかというようなことです。

また、聞くものの話題について、あなたが知っていることを思い出しておくのも役に立ちます。あまり詳しくない話題だったら、まず日本語で知識を得ておいてもいいかもしれません。○○語を読むのが得意だったら、○○語で読んでもいいかもしれません。

ここまでは、日常生の中の行動と同じことをする練習でしたが、聞き取りの教材は他にも利用法があります。

一つはシャドーイングという方法です。最近かなり注目されているのでご存知の方もいると思いますが、やさしい話を聞きながら、話されていることを真似していきます。

もともとは同時通訳者のトレーニングに使われていた方法ですが、考えないで真似するというところがポイントで、発音がよくなる、聞いて理解する力が伸びる、話せるようになるのにも役に立つと言われています。

あなたが真似したいと思うような教材があって、それがあなたにとってやさしめのレベルだったら、シャドーイングをしてみるというのも、利用の仕方の候補です。シャドーイング用の教材もいろいろ売られています。

書き取り(ディクテーション)も聞く教材の利用法の一つです。短い話を話している通りにすべて文字にしてみてください。

私たちは日常、話をする時に書いてある単語の音をすべて発音しているわけではないので、音を聞くだけでは、ディクテーションは完成できません。意味を考えて、文法や単語の知識を使いながら、「言われていないことを聞く」必要があります。また、書くためには単語の綴りや文字の知識も必要です。ですから、ディクテーションはとてもいい言葉の知識の復習になります。

最後に、映画やドラマなど長めの教材では、よく使われる語彙や定型表現を拾うという使い方もできます。

若い人たちの恋愛がテーマだったら、それに関係ある表現はたくさん使われるでしょうし、医療の現場が舞台だったら、病気に関する表現がたくさん出てくるでしょう。あなたの目標に関係のあるテーマの映画やドラマから、あなたに必要な語彙や定型表現を拾い出して覚えるという使い方もできます。

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