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もう失敗しない外国語学習方法

第7章で教材の選び方についてお話しましたが、今までまったく学んだことのない言語を学び始めようと思っていらっしゃる方は、もう少しアドバイスが必要かもしれません。ここでは、初めての言語を学ぶ時に役に立つ教材はどんなものかというお話をします。

文字(アルファベット)

外国語を学ぶ時、絶対に文字を最初に覚えなくてはいけないということはありません。○○語を読み書きする必要があるのであれば、文字を覚えないという選択肢はたぶんないでしょうが、短い時間滞在するだけとか、周りに手伝ってくれる人がいるので読み書きができなくても困らないという場合、文字を覚えるのはオプションだと考えていいでしょう。

ただし、覚えた単語などを自分のためにメモする手段は必要です。もし、○○語を使う人たちが日常的に使っている文字を覚えるのはやめておくという選択をした場合、何か他の手段で○○語を書き表すことを考える必要があります。

日本語にローマ字があるように、アルファベット以外の文字を使う言語の多くはアルファベットでその言語を書き表す方法を持っています。そういうものがあって、それを使おうと思ったら、その方法の全貌がわかる教材が必要になります。

最後の手段としてはカタカナで書くという方法もあります。ただ、どんな言語でもいくつかはカタカナでは書き表せない音があるものです。それをどんな方法で書くことにするかは、自分で方法を考えなくてはいけないでしょう。

文字を覚えるかどうかを決める時、まず考慮するといい要因は、○○語の文字は覚えやすいかという点です。

日本で学校教育を受けた人なら、英語のアルファベットを知っているはずですから、アルファベットを使っている言語なら、特殊な記号や文字があったとしても、それほど抵抗なく覚えられるかもしれません。また、中国語は、日本の漢字とは少し違いますが、日本語の漢字と比較することで、形を覚えることはそれほど大変ではないでしょう。また、韓国語のハングルのように、形がシンプルで、理屈で覚えることができる文字は、それほど苦労しないで覚えられます。

逆に、これまでまったく学んだことがない文字で、形が複雑だったり、理屈が通用しないように思える文字は、覚えるのが少々大変かもしれません。こうした点を頭において、自分は○○語の文字を学びたいか、学ぶ余裕があるかを考えてください。

どんな言語でも、何らかの形で日本語の五十音表のようなものがあるものです。文字を覚えることにしたら、それは必要になります。ただし、その表の最初の文字から順番に学ばなくてはいけないという理由はどこにもありません。あなたの名前を書くために必要な文字から覚えるとか、街でよく見る看板の文字から覚えるとか、コーヒーでもビールでも、メニューの中であなたがいつも頼むものを表す文字から覚えるとか、どこから手をつけるかはいろいろな選択肢があります。あなたにとって、やりやすそうな方法を考えてください。

また、文字を全部覚えてからでないと、単語や会話の練習が始められないので、全部やるのは大変だと思ったり、文字の練習に飽きたりしたら、間で他の教材も使ってみてください。適当な気分転換も長続きのコツです。

発音

生まれてからずっと○○語を使ってきた人たちと同じように発音ができるようになることは、大人になってから○○語を学ぶ人たちにとっては、とても高い目標です。日本人であることがわかっては困るという事情があるのでもない限り、そのような高い目標を設定する必要はないでしょう。ただ、話したり聞いて理解できるようになるためには、ある程度それらしい発音ができるようになる必要があります。そのためには、どんな教材が必要でしょうか。

言葉が通じるためには、一つ一つの音も大切ではありますが、もっと大切なのはリズムやイントネーションがそれらしいということです。○○語のリズムやイントネーションの特徴をつかむには、○○語を聞いて真似をするのがたぶんもっとも早道です。初心者用のシャドーイングの教材があれば、それを使うこともできますし、会話教材についているCDを使うこともできます。若干効率は悪いかもしれませんが、映画やドラマなど学習用に作られたのではない教材の中で、挨拶など聞き取れる部分だけ真似をするという方法もあります。

真似をするのに一つ一つの音の発音の仕方がわからないと気持ちが落ち着かないという人もいると思います。発音の練習に、一つ一つの音が録音されている教材もあります。また、○○語の音の発音の解説を読んでみてもいいと思います。そういう解説は、教科書や辞書の最初に載っていることも多いので、探してみてください。

外国語の発音の難しさは主に、母語(日本語)と外国語の発音の違いから来るので、どんな言語の話者がどんな言語を学ぶ時でも、必ず一つや二つは発音や聞きとりが難しい音があるものです。そういう音が発音できるようになったり、聞き取れるようになるには時間がかかります。

今すぐできるようになろうと思う必要はありません。大切なことは、自分にとって苦手な音は何かを知っておくことです。

自分が何を間違えやすいかを知っていれば、話す時はそこだけ意識して丁寧にゆっくり言うということもできますし、相手に「うまく発音できません」と前置きをすることで、わかってもらいやすくなるかもしれません。聞く時も同じで、聞き取れない音は、相手の人に文字で書いてもらうとか、これですか?と確認したりすることができます。

○○語のどの音が難しいのかは、教科書などに書いてありますし、○○語を学んでいる人に聞いたり、インターネットで「○○語の発音」などのキーワードで検索してみることもできます。

単語

言葉を使って何かをする時に、手っ取り早く役に立つのは単語や決まり文句です。単語は何から覚えなくてはいけないという順番はありません。あなたが選んだ短期目標を達成するのに必要な単語や決まり文句が載っている教材はどんなものでしょうか。

短期目標が行動を基本にしているので、教材も場面や話題別のものが必要な単語を探しやすいだろうと思います。書店で売っている旅の指差し会話帳は一つの候補になると思います。また、最近は、場面・話題別の教材も増えてきたので、そういうものから必要な単語や表現を拾っていくこともできます。また、日本語で必要な単語のストを作って、それを○○語で何というか辞書で調べるという方法もあります。

会話文

あなたの選んだ短期目標が、口頭のやり取りに関するものだったら、そこで必要になる会話のパターンが使ってある会話文を探すといいかもしれません。学び始めたばかりの言語では、その場で臨機応変に対応するということはなかなかできませんから、あなたが出会いそうな状況で起こりそうな短い会話を頭に入れておいて、現実にそういう状況になったら、そのパターンを使って対応するというのが現実的です。

教材にする会話文を選ぶ時は、無理なく覚えられる長さであること、キーワードを入れ替えることで、あなたに必要な会話が作れること、録音があること、その録音が明らかに不自然ではないことなどを基準にするといいと思います。

文法解説

会話文を覚えるのに、文法がわからないと落ち着かないという人もいるかもしれません。会話文を教科書からとってきたのであれば、その教科書に解説が書いてあるかもしれません。他の初級者用の文法中心の教科書から、解説を探してもいいかもしれません。また、いくつか会話文があれば、あなた自身で何らかの規則を発見することもできるだろうと思います。

文法を考える時に覚えておいたほうがいいことは、言葉は規則で説明できる部分とできない部分から成っている、規則の中には単純なものと複雑なものがあるということです。何もかも規則で説明できるとは思ってはいけません。あきらめて、ただ覚えなくてはいけないこともたくさんあるのです。さらに、初級者のうちは複雑な規則まで理解しようと思わないほうがいいだろうと思いますレパートリーが広がったら、いずれ理解できるようになるというように気長に構える気持ちも大切です。

その他の教材

映画でも、歌でも、料理の本でも、あなたが興味の持てるもので、○○語が使ってあるものは何でも教材になり得ます。もちろん、今はスラスラ全部わかるというわけにはいかないかもしれませんが、他の教材を使って覚えたことを探す、映像や写真、あなたの持っている一般的な知識などを使って理解できた単語や表現を覚えるなど、使い方はいろいろあります。

どんな教材を用意したらいいのか、イメージはつかめたでしょうか?

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